人工知能と知財(AI関連特許2)
先日、米国へのAI関連特許出願が突出していると書きました。
それもそのはず、人工知能関連の研究開発投資額が全く違います。
総合科学技術・イノベーション会議 評価専門調査会(第117回)資料2-3-1の4より引用。
政府投資額は、日本:100億円、米国:300億円、
民間投資額は、日本:3047億円、米国:55900億円。
民間投資額はケタが違いますね。
日立、富士通、NECの研究開発費を合計しても、米国企業1社にも及びません。
「人工知能」と一口に言っても、様々な産業に応用できます。
米国に比べれば限られた研究開発費しかないわけですから、人工知能技術の応用先産業分野の選択と集中、すなわち、なるべく少ない投資額で大きな波及効果がある産業分野を選択し、リソースを集中させることが大事だと思います。
では、どのような産業分野を選択すればよいか。現在、人工知能技術戦略会議では「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」を検討していて、今年度中に策定とのことなので期待したいと思います。
知財についても、コストは最小限にしたいところです。特許の出願・維持費用はバカにならないので、「AI関連特許はとにかく出す」のではなく、まず特許を出そうと思っている発明が事業計画に沿ったものなのかどうかを検討し、その上で、本当に特許が適切な手段なのか(特許化よりもノウハウ化の方が得策なのではないか)を検討するなど、出願の厳選が必要だと考えています。