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産学連携のコーディネーター

産学連携の重要性は何年も前から指摘されていて、色々と取り組みもされてきたが、それも下火になっていたように思う。しかしここ最近はオープンイノベーションの必要性が色々なところで叫ばれるのに伴い、再び産学連携が注目を集めるようになってきた。

 

そこで産学連携について勉強しようと思い、Amazonで見つけたこの本を読んだ。
産学連携は重要性が指摘されているわりに書籍があまりないので、こういった本は貴重ですね。

  

ヘルスケア分野における産学連携ガイドブック

ヘルスケア分野における産学連携ガイドブック

 

 

産学連携は、要するに大学にあるシーズと企業側のニーズをマッチングさせ、製品化させるのが目的なのだが、これが難しい。まずマッチングすること自体が難しいし、マッチングできたとしてもうまく製品化まで持って行くのが難しい。

 

大学は企業にとって魅力的な制度を用意し(この本では阪大の「共同研究講座・共同研究部門」が紹介されている。)、企業では最近では以前より多くの予算を大学との連携のために用意していると聞く。

 

このような仕組み作りはもちろん大事なのだが、一番大事なのは、月並みだが“人”である。

 

大学側の人材に目を向けてみよう。多くの大学では、産学連携をサポートをするスタッフを雇用している(「コーディネーター」と呼ばれたりする。)。コーディネーターのバックグラウンドとしては、企業での研究開発業務がメインキャリアで、年齢層が高めな方が多いように思う。

 

コーディネーターの仕事の一つに、マッチング戦略(大学が保有するシーズを洗い出し、どのシーズをどの企業に売りこむかの戦略)の策定がある。このとき、コーディネーターに求められる能力として、当然、戦略策定能力があり、これはもちろん大事なのだが、フットワークの軽さやコミュニケーション能力といった営業能力も同じくらい大事だったりする。

 

しかし、研究開発をメインとされていた方は営業があまり得意ではないように思うし、年齢とともにフットワークも重くなってくる。(もちろん、そうでない方もいらっしゃいます。)

 

その結果、マッチング候補となる企業の目星はつけられるのだが、なかなか企業へのアプローチができなかったり、アフターフォローがおろそかになったりすることがある。また、大学の研究者との人間関係の構築がうまくいかないケースも散見される。こういった地道な営業活動とマッチング戦略の策定は両輪で、せっかく戦略策定能力があるのにもったいないと思うケースがある。

 

そこで、公募の仕方を工夫して、従来のコーディネーターとは別に、若めの営業経験者を雇い、営業を担当してもらってはどうか。ただ、マッチング候補となる企業の目星をつけるのは苦手だと思うので、そこは従来のコーディネーターとセットで行動させる。役割分担である。個人的にはよいアイデアだと思うのだが。